おサル気まぐれ日記 ~ルレナバケから世界へ~

南米ボリビアのアマゾンールレナバケで暮らすおサルな私が、ジャングルの自然素材を使ってルレナバケの人たちが生み出した手づくり雑貨の店を経営しながら、気まぐれに日々の出来事や思いをつづり、ジャングルの香りをお届けします。


 最近、ルレナバケの町の象徴であるベニ河上流域(アマゾン河源流のひとつ)の自然と私たちの暮らしを脅かすとても穏やかではない話が国レベルで持ち上がっていて、私たちをざわつかせている。


 アマゾン河の源流のひとつであるベニ河、その上流のトゥイチ河に発電用の巨大ダムを建設しようという提案は1950年代に初めて発表されたという。それからこれまで何度となく計画について話がありながらも、費用面からも技術面からも環境面からもあまりに規模とリスクが大きすぎるプロジェクトなので、幸い提案が実現化せずにその都度流れてきたらしい。


 21世紀の今、そんな巨大ダム建設はすでに世界各地で恩恵を上回るたくさんの損害を証明していて、これから新たに造ろうという動きは時代遅れですらあると思う。が、よりによって、土着信仰でパチャママ(母なる大地)を敬ってきたはずのエボ大統領が、先住民の文化とアイデンティティーへの尊厳を説いてきたはずのエボ大統領が、地球上でも貴重なこのアマゾンの熱帯大雨林とその自然とともに暮らす少数先住民の集落を浸水させ消滅させることになる巨大ダム建設着工に向けて、着々と話を進めているという。しかも、影響を受ける周辺の地元住民にその是非を問うていないどころか、国の計画やリスクをまともに説明することすらせず。


 他国からとてつもない額の借金をして、かけがえのない大自然を壊そうとする。そしてその大自然とともに生きる住民の暮らしを脅かそうとする。さらに、発電用というけれども、それだけ大きな投資をして、果たしてその電力需要があるのか、利益が出るのか、元がとれるのかさえも怪しいという。


 こういうとき、ボリビアの都市部や高山地帯では道路封鎖やデモやストライキがお得意なのだけど、豊かな自然環境に囲まれ、自然や天候に身をまかせて生きてきたアマゾン少数先住民の子孫たちは元来とても穏やかで寛容な性格で、来るもの拒まずなんでも傍観して受け入れてしまうところがある。だからこそ、私みたいな移民たちも暮らしやすいわけだけど。。。このまま傍観していたら、本当にこのアマゾンの大自然が、大自然に恵まれたアマゾン民の平和な暮らしが、一部の人たちの利欲のために壊されてしまう。


 そんなもんで、こりゃなんとかしなきゃと、ようやく危機意識を持った一部の地元住民を中心に「ボリビア・アマゾンの自然を守る市民グループ」なるものが立ち上がり、私も微力ながら、大統領へダム建設計画中止を求める請願書の署名集めや活動資金を集めるためのイベントや地元の人たちへの情報提供の活動に参加している。来年には、ルレナバケ上流ジャングルが舞台の実話に基づいた映画『ジャングル』が公開されるし、「ジャングルの自然を守ろう」という世論で国の政策を変えられたら、、、と心から願う。


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 写真↑は、第二ダム建設が予定されているベニ河のエル・バラ渓谷。ルレナバケからモーターボートで上流に約一時間の場所で、ここからマディディ国立公園が広がっている。マディディ公園はボリビア・アマゾンの中でも特別保護区に指定されているジャングルエリアで、1100種以上の野鳥、約200種の哺乳類、約300種の魚類、約12,000種の植物が集合する世界一多様性豊かな熱帯雨林。(第一ダム建設予定地はさらに上流のエル・チェペテ渓谷。)

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