おサル気まぐれ日記 ~ルレナバケから世界へ~

南米ボリビアのアマゾンールレナバケで暮らすおサルな私が、ジャングルの自然素材を使ってルレナバケの人たちが生み出した手づくり雑貨の店を経営しながら、気まぐれに日々の出来事や思いをつづり、ジャングルの香りをお届けします。

 アレやコレやとそれはそれは大騒ぎの末、新憲法についての国民投票の結果は、61%が賛成、39%が反対と、なかなかきわどいものであった。「不正の二重投票があった」とか「大統領派が一部市民を買収してた」とか、穏やかならぬ声はあるけども、とりあえず、多数決のルールからすると、新憲法が可決したことになる。


 さて、そんな今ボリビアで話題独占の新憲法を、丸五日もかけてなんとか読み通したワタシの超個人的に気になった点を勝手に書いてみる。


1. 日本の憲法9条に似た、戦争放棄の条項があるのが素敵。ついでに、男子のみに課せられている徴兵義務も廃止しちゃえばよかったのに・・・。

2. 先住民の文化保護、権利尊重について、事細かに記載されているのだけど、あまりに「先住民族」という語彙を各項目でやたらめったらハイライトしすぎていて、白人層や混血層、移民層から逆差別だという批判を受けてもしかたがないほどの行きすぎた感はどうにも否めないけれど、まぁ多民族国家であるボリビアのオリジナリティーのひとつになるのかも?

3. 国際的に(特に米国から)反発を呼んでる「コカの葉」生産をわざわざ憲法の項目で堂々と保護してしまう必要性があったかどうかは、かなり微妙なところ。

4. 国内の領土にある天然資源は国の管理の下、利用方法、産業化、収入の配分などが決められるとのことで、このあたりが社会主義憲法だと言われる所以である。スペインの植民地時代以降、銀やらスズやらひたすら資源を採りつくされてきた歴史がある手前、これはエボ政権にとって、誇りを賭けたテーマなのだけど、天然ガスが国営化されてからというもの、ガソリンも家庭用ガスも行列ナシに購入できなくなったというのは、そのシステムに改善必須の問題があること間違いなし!

5. 遺伝子組換え作物の取扱いを憲法ではっきり禁止しちゃっているのは、なかなか好ましい。

6. その昔、周辺国に戦争で負けて領土を取られてしまって以来、海岸沿いの領土を持たないボリビアが、「海へのアクセス権をあきらめない」的宣言をわざわざ憲法に盛り込んじゃってるあたりが、純なボリビア人らしくて、何だか微笑ましい。

7. いろいろイチャモンつけてるものの、結局のところ、低地の富裕層がこの新憲法に猛反発する最大のポイントは、土地改革の項目である。その内容とは、社会・経済効果をもたらしていない私用地は、国の土地とされる。また、国民一人当たりの最高所有地を5千/1万ヘクタールとし、現在それ以上所有する者からは、制限を超える土地分を国が没収する、というものである。ちなみに、制限を5千hにするか1万hにするか、という問いも国民投票の内容のひとつであった。
確かにルレナバケのあたりでも、昔からの地主家族たちが持ってるたくさんの私有地が有効利用されることなく雑草の生い茂った空地としてほったらかしにされていたりするし、だいたい一個人に5千hだって、十分とてつもなくデカいのでは?と、世界でウサギ小屋だと言われる日本の一般家庭で育った私などは思うのである。


 まぁ、そんなワケで、エボ政権を支持できるかどうかは別問題として、この新憲法そのものは、ワタシ的にはそうわるくないように思う。 のだけれど、町長をはじめ反対派が強いこのあたりでは、声を大きくして滅多な意見を口にできない、小心者な私なのであった・・・。
コメント

遺伝子組換え作物の取扱いを憲法ではっきり禁止しちゃっているのは、なかなか好ましい。
なぜ?
人類の進歩に過ちはつきものだけど、核にくらべれば。飢餓に苦しむ人たちにとっては、穀物は穀物なのではないでしょうか?
2009/02/01(日) 00:32:36 | URL | ヤポネ #-[ 編集]

ヤポネさん、

核よりマシだから、という比較には意味がない気がします。

そして、飢餓は食糧不足が原因ではなく、食料や富の分配の不平等によるものだと思います。

遺伝子組換え作物によって利益を得るのは貧困層ではなく、米国系多国籍企業の株主たちで、大企業の介入と食物支配によって、小農家たちはますます弱者の立場におかれることになります。

もちろんそれ以外にも遺伝子組替え作物には、人間が自然の法則を曲げることについてのモラルの問題、人体に対する安全性の疑問、既存の生態系の破壊と混乱に繋がる可能性など、弊害はたくさんあると思います。

ボリビアのように経済が弱く、政治が不安定な国は、大国の利害に影響を受け易いと思うので、現政府が遺伝子組換え作物の取扱いを禁止するのに私は賛同しています。
2009/02/04(水) 02:22:32 | URL | Nachita #-[ 編集]

こないだ雑誌読んでたら、ウユニ塩湖の下には膨大な量のリチウムが眠ってるとのこと。資源として有効利用できるといいね

遺伝子組換えは、大学で植物、大学院で動物対象にやってたけど、俺もやっぱ違和感感じて、あの世界は去りました。遺伝子は人のいじくっちゃいけないものと分かるのに、3年もかかってしまった。やれやれ。
2009/02/10(火) 23:53:08 | URL | shun #-[ 編集]
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