おサル気まぐれ日記 ~ルレナバケから世界へ~

南米ボリビアのアマゾンールレナバケで暮らすおサルな私が、ジャングルの自然素材を使ってルレナバケの人たちが生み出した手づくり雑貨の店を経営しながら、気まぐれに日々の出来事や思いをつづり、ジャングルの香りをお届けします。

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 1912年生まれの小野寿さんは、23歳の時に外務省派遣の商業実習生として初めてボリビアに渡り、その後日系二世の女性と結婚、事業独立、会社倒産、戦争中の田舎での隠れ暮らし、等々、さまざまな体験を経て、ジャングルに近い町に移り住み、ルレナバケの川向かいの町サンブエナベントゥーラの郊外の山奥で農業をしながら数十年を過ごした。

 そんな小野さんが、先日、95歳の人生を終え、眠りにつかれた。70年以上の日々を喜びも苦みも存分に味わったボリビアの土地で。


 近年の小野さんにはひとつの夢があった。それは、自分のジャングルでの暮らしで得たさまざまな珍体験と、ジャングルで暮らすようになってから強く持つようになった神への信仰心などをモチーフにした小説を書くことだった。ここ数年で視力がだいぶ落ち、自分で字の読み書きをするのが難しくなっていた小野さんがテープレコーダーにストーリーを吹き込み、それをテープ起こししてパソコンに打ち込むのを私がお手伝いすることになっていた。一ヶ月ほど前に会ったときには、小野さんは、「テープに吹き込む前に、ストーリーの構成と展開を考えて、孫に手伝ってもらいながらノートに書き込んでいるから、それができたら一度目を通してほしい」と話されていたところだった。

 突然異変を起こして病院に運ばれてからも、側についていた次男の奥さんに「小説を書きたい、死ぬ前に書き終えなければ」と何度も漏らしていたと言う。

 みんなの目が届く所に住んでくれという友人や家族の声を聞かず、最後までジャングルの中の小さな家にひとりで住み、近年はヤマイモづくりに熱中し、小野さんを訪れる日本人たちをいつも快く迎えて、つきない経験談や夢を語った小野さんは、誰よりも生きる活力で満ちあふれていた。だからこそ、突然の悲しい知らせに驚き、後悔せずにはいられない。

 小野さんの最後の夢を遂げさせてあげることができなかった。


 小野さんのお通夜と埋葬式の日は二日とも細かい雨が降り続けた。そんななか、小野さんの息子さんから曾孫さんまでの三世代のご家族の方たち、そして日系人もボリビア人も、小野さんと親しかった人たち、小野さんにかつてたくさんお世話になったであろう人たちなど多くの人々が、小野さんとの最期のお別れに訪れた。みんなに見守られる中、小野さんは生前の希望通り、サンブエナベントゥーラの墓地の奥さんと同じお墓に埋葬された。
コメント

そっか、小野さん亡くなられたんだ
今更ながら、去年無理してでも会いにいけばよかったなと思う。ほんと今更やね..

ご冥福をお祈りします
2007/10/19(金) 06:41:04 | URL | Shun #-[ 編集]
ショック
久しぶりに、ブログを拝見して
小野さんがお亡くなりになったことを知り、
ショックです。
私は一度だけお会いしたけれど、
もっといろいろなお話聞きたかった。

ご冥福をお祈りします。
2007/10/23(火) 17:04:36 | URL | ひろみ #MNlLpfbk[ 編集]

たった今、11月になって、ブログを見て、小野さんが亡くなったことを知りました。
そうなのか、、、、

8月に紹介してもらって、会いに行った時、足は悪そうだったけれど、元気そうだった。

まさに、本を書きたいという話しをされていて、、

あまりにも、壮絶で充実した人生を過ごされて、
最後の最後まで現役で、隠居というわけでもなかったから、
彼の人生を文字に残すには、
人の一生は短いのかもしれないね。。

沢山の人に、小野さんが植えた種が実るときがいつかくるんじゃないかなあ。

小野さんに聞いたお話を、今夜ゆっくり思い出してみたい。

なつみちゃん。お元気で。
2007/11/09(金) 12:37:47 | URL | YURI #-[ 編集]
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2008/03/07(金) 01:53:40 | | #[ 編集]
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